K32W148開発プラットフォームのスタート・ガイド

最終更新日時: Mar 15, 2023サポート マルチプロトコル無線対応K32W148評価キット

このドキュメントの内容

  • 1

    接続
  • 2

    ソフトウェアの入手
  • 3

    ビルドと実行
  • 4

    SDKサンプルの変更

1. 接続

K32W148ボードを実際に使ってみましょう。ショート・ビデオで手順を視聴するか、以下に記載された詳細な手順を参考にして、作業を進めてください。

1.1 ボードの概要

K32W148ボードには、ボードのさまざまな機能をテストする診断デモが事前にプログラム済みです。このプログラムは、MCU-LINK VCOM出力を利用します。この出力は、ホスト・コンピュータへのSerial-to-USBブリッジとして機能するデバッグ・プローブ (J14) に接続され、CMSIS-DAPデバッグ・インターフェースを提供します。

1.2 シリアル・ターミナル

MCUXpresso IDE、IAR、Keilの各ツール向けに設定されているほとんどのMCUXpresso SDKサンプルやこのクイック・スタート・デモでは、表示出力用にMCU UARTを使用しています。ターミナル・アプリケーションの使用方法がわからない場合は、次のいずれかをお試しください。

MCUXpressoターミナルTera TermチュートリアルPuTTYチュートリアル

1.3 ボードの接続

micro USBケーブルをコネクタJ14からホスト・コンピュータまたは電源に接続して、ボードに電源を供給し、デモ・プログラムを実行します。デモは市販のBluetooth® Smart Ready製品を使用してテストできます。IoT Toolboxを使用してプロファイル機能を確認することもできます。難しい設定なしにそのまま利用する場合は、デバイスのAPP StoreからスマートフォンにIoT Toolboxをダウンロードしてください。

1.4 クイック・スタート・デモを実行する

IoT Toolboxアプリを開いたら、[Beacons(ビーコン)]アイコンを選択してビーコンがどういう機能か確認してください。ビーコンは、3つのAdvertisingチャネルで送信される接続不可能なAdvertisingパケットです。パケットには次のフィールドがあります。

  • Company Identifier(会社の識別子)(2バイト):0x0025(Bluetooth SIGによって定義されたNXP ID)。
  • Beacon Identifier(ビーコンの識別子)(1バイト):0xBC(Company Identifierと組み合わせることでNXPビーコンを識別できます)。
  • UUID(16バイト):ビーコン・センサの一意の識別子。
  • A(2バイト):ビーコン・アプリケーション・データ。
  • B(2バイト):ビーコン・アプリケーション・データ。
  • C(2バイト):ビーコン・アプリケーション・データ。
  • RSSI at 1m(1 mでのRSSI)(1バイト):距離ベースのアプリケーションに対応できます。

2. ソフトウェアの入手

2.1 ツールチェーンをインストールする

NXPは、MCUXpresso IDEというツールチェーンを無償で提供しています。MCUXpresso v11.6.0以上をダウンロードしてください。

MCUXpresso IDEの入手

別のツールチェーンを使用したい場合は?

ツールチェーンを比較する

問題ありません。MCUXpresso SDKは、IARなどの他のツールをサポートしています。

2.2 MCUXpresso SDKですぐに設計を開始する

SDKについて

MCUXpresso SDKは無償で利用することができ、オープンソースのライセンスに基づいて、すべてのハードウェア抽象化およびペリフェラル・ドライバ・ソフトウェアのソース・コード全体が提供されます。

MCUXpresso SDKは、MCUXpresso SDKのウェブサイト (mcuxpresso.nxp.com) から直接インストールできます。[Select Development Board(開発ボードの選択)]をクリックして、評価ボードを検索します。

[Search for Hardware(ハードウェアの検索)]検索ボックスに、選択したボード「K32W148-EVK」を入力します。ボードをクリックして選択します。

右側に、K32W148-EVK用にSDKをビルドするオプションが表示されます。そのボタンをクリックして、必要なミドルウェアを追加します。

SDKをビルドするために、利用可能なミドルウェアについて[Select All(すべてを選択)]をクリックします。次に下にスクロールして[Download SDK(SDKをダウンロード)]をクリックします。「Software Terms and Conditions(ソフトウェアの利用規約)」が表示されたら、[I agree(同意する)]を選択してダウンロードを開始します。

SDKパッケージがダウンロードされたら、MCUXpresso IDEの[Installed SDKs(インストール済みSDK)]ウィンドウにドラッグ&ドロップします。

別のツールチェーンを使用する場合は、以下のリンクを使用して K32W148-EVK用のSDKリリースをダウンロードできます。

MCUXpresso SDKを入手する

2.3 MCUXpresso Config Tools

MCUXpresso Config Toolsは、ユーザーがMCUXpresso SDKプロジェクトを新規に作成するための構成ツールの統合スイートであり、カスタム・ボード・サポート用の初期化Cコードを生成するためのピンとクロックのツールも備えています。MCUXpresso IDEの一部として、また別のIDEを使用する場合は個別ツールとして完全に統合されます。

以下の[MCUXpresso Config Toolsを入手する]をクリックして、Config Toolsインストーラを入手してください。

MCUXpresso Config Toolsを入手する

2.4 ドライバのインストール

MCU-Linkは、Windows 10、MacOS X、およびUbuntu Linuxオペレーティング・システム (OS) 上で実行されているホスト・コンピュータでサポートされます。各OSのMCU-Linkファームウェア・パッケージが用意されています。パッケージには、ホスト・デバイス・ドライバ、MCU-Linkファームウェア、およびCMSIS-DAPとJ-Linkファームウェア・オプションをプログラムするためのスクリプトが含まれています。

ホスト・デバイス・ドライバをダウンロードしてインストールし、MCU-Linkファームウェアをアップデートするには、次の手順に従います。

  1. NXPウェブサイトのMCU-Linkページに移動します。
  2. [Design Resources(設計・リソース)]をクリックします。次に、[SOFTWARE(ソフトウェア)]カテゴリをクリックします。互換性のある3つのOSすべての最新バージョンのインストール・パッケージが上部に表示されます。
  3. ご使用のホストOS用のパッケージをダウンロードしてインストールするか (Linux/MacOS)、インストーラ・プログラムを実行します (Windows)。パッケージはMCU-LINK_installer_Vx_xxxディレクトリにインストールまたは解凍されます。
  4. ジャンパJP20を短絡させて、MCU-Linkを (USB) ISPモードに切り替えます。
  5. USB micro-Bケーブルを使用して、ボード上のJ14コネクタをホスト・コンピュータのUSBポートに接続します。MCU-Linkは (USB) ISPモードで電源が入ります。ボードは、ヒューマン・インターフェース・デバイス (HID) クラス・デバイスとして列挙されます。
  6. 「Readme.txt」ファイルの「Firmware Installation Guide(ファームウェア・インストール・ガイド)」セクションに記載されている手順に従って、MCU-Linkの内部フラッシュにMCU-Linkファームウェアをプログラムします。このファイルはMCU-LINK_installer_Vx_xxxディレクトリにあります。提供されているスクリプトを使用して、CMSIS-DAPまたはJ-Linkファームウェア・オプションをプログラムします。
  7. ホスト・コンピュータからボードを取り外し、ジャンパJP20を取り外してから、ボードを再接続します。

2.5 セキュア・プロビジョニング・コマンドライン・ツール (SPSDK)

Secure Provisioning SDK (SPSDK) は、NXP MCUポートフォリオ全体で動作する信頼性が高くて使いやすいPython SDK統合ライブラリです。お客様の迅速なプロトタイピングから生産の展開までをサポートする強力な基盤を提供します。

SPSDKをインストールするには、以下の手順に従ってください。詳細や、別のOSを使用している場合は、「Secure Provisioning SDK (SPSDK)」に記載されているインストール・ガイドを参照してください

要件

必ずPython 3.7以降をインストールしてください(旧バージョンの2.xはサポートされていません)

Windowsユーザーの場合:

  1. SPSDKリポジトリを配置するフォルダを作成します。この例では、C:\spsdkを使用します
  2. リポジトリのクローンをこのフォルダに作成します
    1. cd C:\spsdk
    2. git clone NXP MCUXpresso GitHub Repository
  3. 同じフォルダ内で、仮想環境を作成してアクティブ化できます。
    Python仮想環境を作成します。
    1. python -m venv venv
    2. 仮想環境をアクティブ化します
    3. venv\Scripts\activate
    4. 仮想環境がアクティブになると、現在の作業パスの横のかっこ内に仮想環境の名前が表示されます。

      SPSDKを使用する場合は必ず仮想環境をアクティブ化する必要があります。毎回新しい環境を作成する必要はありません。手順3.bのみを繰り返してください。

  4. 依存関係をインストールします
    1. python -m pip install --upgrade pip
    2. pip install -r requirements-develop.txt
  5. SPSDKのインストールが正常に完了していることを確認します。次のコマンドを実行すると、完全なメニューの出力が表示されます。
    1. spsdk –help

3. ビルドと実行

K32W148ワイヤレス・コネクティビティ・ソフトウェアには、各コネクティビティ・スタック用にすぐにコンパイルして実行が可能なデモ・アプリケーションやドライバ・サンプルが付属しています。

このプロセスについて紹介するショート・ビデオを提供しています。または、以下に記載の手順に従ってください。

3.1 MCUXpresso SDKサンプル・コードを確認する

MCUXpresso SDKには、サンプル・アプリケーション・コードが豊富に用意されています。利用可能なコードを確認するには、SDKをインストールしたフォルダのSDKボード・フォルダを参照し、「K32W148」(/boards/K32W148 ) を選択します。

特定のサンプル・コードの詳細については、サンプルのディレクトリにあるreadme.txtファイルを開いてください。

3.2 MCUXpresso SDKサンプルのビルドとデバッグ

興味のあるデモ・アプリケーションやドライバのサンプルがいくつかあれば、それをビルドおよびデバッグする方法を知りたくなることでしょう。MCUXpresso SDKのスタート・ガイドでは、SDKでサポートされているすべてのツールチェーンのデモを設定、ビルド、およびデバッグする方法について、わかりやすく手順に沿って解説しています。

以下のガイドを使用して、MCUXpresso IDEを使用してサンプル・アプリケーションを開いてビルドやデバッグを行う方法を習得してください。

3.3 ワイヤレス・サンプルのNBUのアップデート

重要

使用しているアプリケーションのSDKバージョンに対応したNBUイメージを使用する必要があります。つまり、SDKをダウンロードする場合は、ワイヤレスSDKサンプルをロードする前に、SDKの次のフォルダに用意されているバイナリを使用してNBUイメージをアップデートします。

アプリケーションの種類に応じて、異なるプロトコル・フォルダ内の適切なNBUファイルを選択します。

../middleware/wireless/ble-controller/bin

../middleware/wireless/ieee_802_15_4/bin/k32w1

NBU FWには次の2種類のイメージがあります。

  1. SB3ファイル・タイプ
    1. これはEVKユーザー専用です。EVKには、開発時の使いやすさを高めるためにセット・キーがプログラムされています。
  2. XIPファイル・タイプ
    1. これは、キーがプログラムされていないサンプル用です。これらのデバイスでは、カスタム・キーを作成してから、このXIPイメージに基づいてSB3ファイルを作成できます。

NBUをアップデートするには、SPSDKコマンドライン・ツールを使用します。

  1. SPSDKフォルダへのパスを開き、仮想環境をアクティブ化します。
    1. >> venv\Scripts\activate
  2. デバイスをISPモードにします。この例では、USBケーブルをJ14に接続してUARTペリフェラルを使用します。EVKでは、次の方法でISPに入ることができます
    1. ジャンパがJP25に取り付けられていることを確認します
    2. SW4を押したままにし、[Reset(リセット)]を押して離してから、SW4を離します。
  3. デバイスが接続されたら、SPSDKを使用して利用可能なデバイスを確認して、接続先のCOMポートを見つけることができます。
    1. >> nxpdevscan
  4. 次に、「receive-sb-file」コマンドを実行してsb3ファイルをロードできます。
    1. >> blhost -p COM27 receive-sb-file path_to_SDK\k32w1_nbu_ble_hosted_a1.sb3

4. SDKサンプルの変更

このプロセスについて紹介するショート・ビデオを提供しています。または、以下に記載の手順に従ってください。

4.1 MCUXpresso SDKからのサンプル・プロジェクトのクローンを作成する

オプションA:MCUXpresso IDEを使用して、サンプル・プロジェクトをインポートします。

オプションB:MCUXpresso Config Toolsを使用して、サード・パーティ製IDEで使用するために既存のMCUXpresso SDKのサンプルのクローンを作成します。

4.2 ピン・ツールの使用

次に、MCUXpresso Config Toolsの一部であるピン・ツールを使用し、プロジェクトに新しいGPIOピンを追加してLEDを点滅させる方法を紹介します。

MCUXpresso IDEターミナル・チュートリアル

MCUXpresso IDEターミナル・チュートリアル

最新バージョンのMCUXpresso IDEには、ターミナル・エミュレーション・アプリケーションが含まれています。このツールは、お使いのNXP開発プラットフォームの仮想シリアル・ポートから送信された情報を表示するために使用できます。

  1. MCUXpresso IDEを開きます。
  2. MCUXpresso IDEの画面上部にある[Open a Terminal(ターミナルを開く)]ボタンをクリックするか、[Ctrl + Alt + Shift + T]を同時に押して、MCUXpresso IDEターミナルを起動します。
  3. [Serial Terminal(シリアル・ターミナル)]を選択します。
  4. シリアル・ポート(LPCXpressoのCOMポート番号を使用)をボーレート115200、8データ・ビット、パリティなし、1ストップ・ビットに設定し、[OK]ボタンをクリックします。
  5. 接続が確立されているか検証します。接続されている場合、MCUXpresso IDEの[Terminal(端末)]ビューの表示は下図のようになります。
  6. 以上で設定は完了です。

Tera Termチュートリアル

Tera Termチュートリアル

Tera Termは、広く利用されているオープン・ソースのターミナル・エミュレーション・アプリケーションです。このプログラムを使用して、NXP開発プラットフォームの仮想シリアル・ポートから送信された情報を表示できます。

  1. SourceForgeからTera Termをダウンロードします。ダウンロードしたら、インストーラを実行し、このウェブページに戻って手順を続行します。
  2. ダウンロード

  3. Tera Termを起動します。初めて起動する際には、次のダイアログが表示されます。シリアル・オプションを選択します。ボードが接続されている場合は、COMポートが自動的にリスト内に表示されます。
  4. 事前に確認したCOMポート番号を使用して、シリアル・ポートをボーレート115200、8データ・ビット、パリティなし、1ストップ・ビットに設定します。この設定は[Setup(セットアップ)]>[Serial Port(シリアル・ポート)]から行うことができます。
  5. 接続が確立されているか検証します。確立されている場合、Tera Termのタイトル・バーに以下のように表示されます。
  6. 以上で設定は完了です

PuTTYチュートリアル

PuTTYチュートリアル

PuTTYは、広く利用されているターミナル・エミュレーション・アプリケーションです。このプログラムを使用して、NXP開発プラットフォームの仮想シリアル・ポートから送信された情報を表示できます。

  1. 下のボタンをクリックしてPuTTYをダウンロードします。ダウンロードしたら、インストーラを実行し、このウェブページに戻って手順を続行します。
  2. ダウンロード

  3. 選択したダウンロードのタイプに応じて、ダウンロードした*.exeファイルをダブルクリックするか、[Start(スタート)]メニューから選択して、PuTTYを起動します。
  4. 表示されたウィンドウで設定を行い、[Serial(シリアル)]ラジオ・ボタンを選択して、事前に確認したCOMポート番号を入力します。ボーレートもあわせて指定します。今回は「115200」を入力します。
  5. [Open(開く)]をクリックして、シリアル接続を確立します。ボードが接続されていて、正しいCOMポートが入力されていれば、ターミナル・ウィンドウが開きます。設定が正しくない場合は、アラートが表示されます。
  6. 以上で設定は完了です