LPC55S69-EVK評価ボードのスタート・ガイド

最終更新日時: 2019-03-26 18:59:00サポート LPC55S69-EVK

1. 接続

1.1 LPC55S69の接続とデモ

1.2 ボードの概要

LPC55S69-EVK-GS-1-1

LPC55S69-EVK-GS-1-1

1.3 USBケーブルを接続する

ボードには4つのmicro-USBコネクタがあります。Full speed USB用とHigh Speed USB用に1つずつ、もう1つは電源専用、あと1つはデバッグ用です。写真に示すように、USBケーブルを「+5 V Power Only(+5 V電源のみ)」と表記されたコネクタに接続します。

LPC55S69-EVK-GS

LPC55S69-EVK-GS

1.4 クイック・スタート・デモを実行する

LPCXpresso55S69ボードには、ターゲットMCUが動作していることを確認するためのプログラムが搭載されています。

RGB-LEDの緑色LEDが1秒間隔で点滅した場合、アプリケーションはアクティブです。

1.5 スイッチおよびLEDのテスト

  1. [WAKEUP(ウェイクアップ)]ボタンを押します。押している間、RGB-LEDの青色LEDが点灯していることを確認します
  2. [USER(ユーザー)]ボタンを押します。RGB-LEDの緑色LEDが短く点滅した後、点灯し続けていることを確認します
  3. [ISP]ボタンを押します。押している間、RGB-LEDの赤色LEDが点灯していることを確認します
  4. [RESET(リセット)]ボタンを押します。押している間、RGB-LEDが消灯していることを確認します

1.6 オーディオ・テスト

このテストには次のものが必要です。

  • PC、スマートフォン、タブレットなどのラインレベルのオーディオ・ソース
  • オーディオ・ソースをLPC55S69ボードに接続するためのステレオ・オーディオ・ケーブル
  • ステレオ・オーディオ・ヘッドフォンまたはスピーカ

手順

  1. オーディオ・ソースを「Audio Line In」コネクタに接続します
  2. ヘッドフォンまたはスピーカを「Audio Line Out」コネクタに接続します
  3. 入力として接続されているデバイスのオーディオを再生します
  4. ヘッドフォンで音声が聞こえることを確認します

AUDIO-DEMO-LPC55S69

AUDIO-DEMO-LPC55S69

OOB_testデモのソース・コードはSDKに含まれています。

2. ソフトウェアの入手

ソフトウェアとツールのインストールについて、2つのショート・ビデオで詳細に説明されています。または、以下の手順に従うこともできます。

2.1 MCUXpresso SDKですぐに設計を開始する

SDKについて知りたい場合は、こちら。

MCUXpresso SDKを入手する

オンラインのSDK Builderにアクセスし、提供されているSDKビルダを使用してLPC55S69-EVK用のカスタムSDKパッケージを作成することもできます。SDKのボード名はLPCXpresso55S69 SDKビルダです。

2.2 ツールチェーンをインストールする

NXPは、MCUXpresso IDEというツールチェーンを無償で提供しています。

MCUXpresso IDEの入手

別のツールチェーンを使用したい場合

ツールチェーンを比較する

2.3 MCUXpresso Config Tools

MCUXpresso Config Toolsは、ユーザーがMCUXpresso SDKプロジェクトを新規に作成するための構成ツールの統合スイートであり、カスタム・ボード・サポート用の初期化Cコードを生成するためのピン・ツールとクロック・ツールを備えています。MCUXpressoに完全に統合されていますが、別のツールとしてダウンロードすることもできます。以下の[MCUXpresso Config Toolsを入手する]をクリックして、Config Toolsインストーラを入手してください。

MCUXpresso Config Toolsを入手する

インポートしたMCUXpresso SDKサンプル・プロジェクトで作業する際や、IDEで新規プロジェクトを作成する際のツール間の基本的なインタラクションの詳細については、この3部構成のビデオ・シリーズをご覧ください。

MCUXpresso IDEとMCUXpresso Config Toolsを使用した基本的なアプリケーション開発

2.4 LPCScryptを使用したデバッグ・プローブ・ファームウェアのアップデート

LPCXpresso55S69をサード・パーティ製ツールで使用できるようセットアップするには、まず、ボードのデバイス・ドライバをインストールするためにLPCScryptをインストールします。以下のビデオで、LPCScryptユーティリティを使用してボードのデバッグ・プローブをプログラムする方法について説明しています。

2.5 シリアル・ターミナル

IARツールおよびKeilツール向けに設定されているほとんどのMCUXpresso SDKサンプルでは、表示出力用にMCU UARTを使用しています。これはMCUXpresso IDE用オプションとしても利用できます。ターミナル・アプリケーションの使用方法がわからない場合は、次のいずれかのチュートリアルをお試しください。

ターミナル・アプリケーションの使用方法がわからない場合は、MCUXpressoターミナルTera TermチュートリアルPuTTYチュートリアルのいずれかのチュートリアルをお試しください。

3. ビルドと実行

このプロセスについて紹介するショート・ビデオを提供しています。または、以下に記載の手順に従ってください。

3.1 MCUXpresso SDKサンプル・コードを確認する

MCUXpresso SDKには、サンプル・アプリケーション・コードが豊富に用意されています。利用可能なコードを確認するには、SDKのインストールの「SDKボード」フォルダを参照し、「LPCXpresso55S69」を選択します。

/boards/LPCXpresso55S69

特定のサンプル・コードの詳細については、サンプルのディレクトリにあるreadme.txtファイルを開いてください。

3.2 MCUXpresso SDKサンプルのビルドとデバッグ

興味のあるデモ・アプリケーションやドライバのサンプルがいくつかあれば、それをビルドおよびデバッグする方法を知りたくなることでしょう。MCUXpresso SDKのスタート・ガイドでは、SDKでサポートされているすべてのツールチェーンのデモを設定、ビルド、およびデバッグする方法について、わかりやすく手順に沿って解説しています。

以下のガイドを使用して、MCUXpresso IDEを使用してサンプル・アプリケーションを開いてビルドやデバッグを行う方法を習得してください。

別のツールチェーンを使用する場合:

IARおよびKEILでのデモも提供しています。

3.3 MCUXpresso SDKサンプルのビルドとデバッグ

次に、ボードを接続して、プロジェクトのデバッグに進みます。

  1. DFUジャンパJ4が取り外されていることを確認します
  2. 画像で示すように、PCからつながるmicro USBケーブルをデバッグ・リンクのmicro USBコネクタに接続します
  3. MCUXpressoの[Project Explorer(プロジェクト・エクスプローラ)]ウィンドウで、プロジェクトを選択します
  4. 「Quickstart Panel(クイックスタート・パネル)」の[Debug(デバッグ)]をクリックします
  5. 「CMSIS-DAPデバッグ・インターフェース」を選択します
  6. ターゲット・コアとして「コア0」を選択します
  7. [Resume(再開)]をクリックして、main()関数の先頭にあるブレークポイントの後のコードを実行させます

詳細については、SDKフォルダにある「SDKスタート・ガイド」ドキュメントを参照してください

/docs/Getting Started with MCUXpresso SDK for LPC55xx.pdf

LPC55S69-3-3

LPC55S69-3-3

3.4 その他のサンプル

SDKには複数のサンプル、デモ、ドライバが含まれており、初めて使用する際に役立ちます。いくつかの一般的な例を以下に挙げます。

  • シェルのデモ(UARTの例)
  • USBサンプル
  • NTAG I2Cエクスプローラblink
  • パワー・マネージャのデモ

セキュリティと整合性

LPC55S69はセキュア・バイ・デザインであり、セキュアなシステム・オン・チップ (SoC) を駆動するセキュアなソフトウェアによってサポートされています。

ドキュメント 説明
AN12278 LPC55S00 IoT向けセキュリティ・ソリューション このドキュメントでは、各LPC55Sxx MCUのセキュリティ・システムの違いと利点をわかりやすく整理して説明しています。
AN12324 LPC55SxxにおけるAESコーディングへのPUFおよびハッシュ暗号の使用 ルート・キーを使用してユーザー・キーをセキュアに生成、保存、および取得する方法。
AN13094 TrustZone搭載LPC55Sxxシリーズ・マイクロコントローラでのFreeRTOSの使用 TrustZone対応ARMv8-MプロセッサでのFreeRTOSの使用方法。
ARMv8-MおよびNXP LPC55S69-EVKを使用したTrustZone MCUXpresso SDKサンプルとLPC55S69 EVKを使用した、ARM TrustZoneセキュリティ機能の紹介。
MCUXpresso IDEでTrustZoneプロジェクトをデバッグする方法 サンプルとして「hello_world」を使用し、LPCXresso55S69ボードでのTrustZoneのデバッグについて紹介しています。

MCUXpresso SDKサンプル

SDKには複数のサンプル、デモ、ドライバが含まれており、初めて使用する際に役立ちます。セキュリティに関するいくつかの一般的な例を以下に挙げます。

TrustZoneの例

TrustZoneの例には、hello world、secure faults(セキュリティで保護されたエラー)、secure GPIOなど、いくつかの簡単なデモがあります。

パス:

/boards/lpcxpresso55s69/trustzone_examples

PUF Hashcrypt暗号化のデモ

セキュア・キー・ストレージを備え、秘密鍵を専用のHWバスを介してHashcryptに直接送信することでデータを暗号化する、PUFコントローラの使用方法。

パス:

/boards/lpcxpresso55s69/demo_apps_puf_hashcrypt_crypto
MCUXpressoセキュア・プロビジョニング・ツール

NXPのMCUデバイスでブート可能な実行ファイルを簡単に生成およびプロビジョニングできるようにする、GUIベースのアプリケーション。

有線通信

ドキュメント 説明
ConfigToolを使用してUSBプロジェクトを最初から作成する方法 MCUXpresso Config ToolとLPCXpresso55S69-EVKを使用したUSBプロジェクトの作成。

MCUXpresso SDKサンプル

SDKには複数のサンプル、デモ、ドライバが含まれており、初めて使用する際に役立ちます。有線通信に関するいくつかの一般的な例を以下に挙げます。

シェルのデモ(UARTの例)

コマンドライン・シェル・アプリケーションの実装方法のデモ。

パス:

/boards/lpcxpresso55s16/demo_apps/shell

ドライバ・サンプル

SDKには、GPIO、I2C、I2S、SPI、UARTなどのドライバ・サンプルが複数含まれています。

パス:

/boards/lpcxpresso55s69/driver examples

USBサンプル

SDKには、ホストおよびデバイスの操作に関するUSBサンプルが複数含まれています。

パス:

/boards/lpcxpresso55s69/usb_examples

ワイヤレス・コネクティビティ

ドキュメント 説明 アプリケーション・ノートのソフトウェア
AN12805 プライベート・クラウドとのセキュアな接続の確立 LPCXpresso55S69ボードを使用してセキュアな組込みソフトウェア・プロジェクトを作成する方法。 ダウンロード
LPC55S69のAmazon Web Servicesへの接続 MCUXpressoとAmazon Alexaを使用し、AWSを介したWIFIイネーブルメントとクラウド・コネクティビティに焦点を当てたデモ。 -
AWS IOTおよびAlexa skillsにペリフェラルを追加する方法 AWS IOTおよびAlexa Skillsプロジェクトにペリフェラルを追加するためのステップ・バイ・ステップ・アプローチ。 -

MCUXpresso SDKサンプル

SDKには複数のサンプル、デモ、ドライバが含まれており、初めて使用する際に役立ちます。ワイヤレス・コネクティビティに関連する一般的な例を以下に挙げます。

NTAG I2CエクスプローラBlink

I2Cインターフェース・チップ搭載NT3H2111_2211 NTAG I2C plusコネクテッドNFCタグの使用方法を示し、デバイスとの基本的な通信のデモを提供します。

パス:

/boards/lpcxpresso55s69/ntag_i2c_plus_examples/ntag_i2C_explorer_blink

マルチコアおよびハードウェア・アクセラレーション

マルチコアおよびハードウェア・アクセラレーション

LPC55S69プラットフォームには、動作速度最大100 MHzの2つのArm Cortex-M33コアが搭載されています。Core 0には、TrustZone、FPU、2つの64ビット・アクセラレータが含まれます。DSPアクセラレータはPowerQuad DSPコプロセッサと呼ばれます。

ドキュメント 説明
AN12282 PowerQuadを使用したNXP LPC5500のデジタル信号処理 PowerQuadコプロセッサは、CPUコアによるマトリックス演算、フィルタリング、FFTを含む変換機能などの数値演算の実行を支援するDSPアクセラレータです。
AN12335 LPC55xx/LPC55Sxxにおけるデュアルコア通信 LPC55xx/LPC55Sxxは、ハードウェアCPU間メールボックス・メカニズムと呼ばれるシンプルな通信手段を備えています。
AN12358 LPC55xx/LPC55SxxにおけるMCUXpressoでのデュアルコア・デバッグ LPC55S6xの非対称型デュアルコアをデバッグする方法。
MCUXpresso IDEを使用したLPC55xxマルチコア・アプリケーション LPC55S69-EVKとMCUXpresso SDKを使用してLPC55xxマルチコア・アプリケーションを作成、ビルド、およびデバッグする方法。

MCUXpresso SDKサンプル

SDKには複数のサンプル、デモ、ドライバが含まれており、初めて使用する際に役立ちます。マルチコアとハードウェア・アクセラレーションに関連する一般的な例を以下に挙げます。

マルチコアの例

マルチコア・システムの個々のコアにプロジェクトを設定する方法を含みます。

パス:

/boards/lpcxpresso55s69/multicore_examples

オーディオ

ドキュメント 説明
AN12939 LPC55xxへの5.1チャネル・オーディオ・ソリューションの実装 LPC55S69は、オンボードDSPアクセラレータを備え、USBオーディオ・アプリケーションに非常に適しています。

MCUXpresso SDKサンプル

SDKには複数のサンプル、デモ、ドライバが含まれており、初めて使用する際に役立ちます。オーディオに関するいくつかの一般的な例を以下に挙げます。

SDKオーディオのデモ

録音デバイスや再生デバイスを列挙するベア・メタルとFreeRTOSの例。

USBデバイス: オーディオ・ジェネレータ、オーディオ・スピーカ、複合HIDオーディオ

USBホスト:オーディオ・スピーカ

パス:

/boards/lpcxpresso55s69/usb_examples

ディスプレイとグラフィックス

LPC55S69のSDKには、Adafruit TFT LCDシールドを使用したグラフィック・サンプルが含まれています。

ソフトウェア 説明
NXPマイクロコントローラ用のグラフィカル・ユーザー・インターフェース さまざまなNXPマイクロコントローラ用のGUIオプションを紹介しています。
NXP LPC55S69-EVKに搭載されたAdafruit Touch LCDのオープンソースLittlevGL GUIライブラリ 静電容量式タッチとMCUライブラリを使用したAdafruit LDCディスプレイの駆動。
LVGLオープンソース・グラフィックス・ライブラリ LVGLは、直感的なグラフィカル要素、美しい視覚効果、少ないメモリ使用量で組込み型GUIを作成できる機能を備えた、無料のオープンソース組込み型グラフィック・ライブラリです。
GUI Guider オープンソースのLVGLグラフィックス・ライブラリを使用して高品質のディスプレイを迅速に開発できる、NXPのユーザー・フレンドリーなグラフィカル・ユーザー・インターフェース開発ツールです。
NXP emWinライブラリ NXPはSEGGER Microcontrollerの協力を得て、NXPのすべてのArm Cortex-Mマイクロコントローラで使用できる高性能のemWin組込みグラフィックス・ライブラリを、バイナリ形式で商用利用向けに無償提供しています。
emWinとAppWizardを使用したGUIの開発 AppWizardのさまざまな機能を使用して、emWinベースのすぐに実行できる完結したプロジェクトを作成する方法。

MCUXpresso SDKサンプル

SDKには複数のサンプル、デモ、ドライバが含まれており、初めて使用する際に役立ちます。ディスプレイとグラフィックスに関するいくつかの一般的な例を以下に挙げます。

LVGLサンプル

LittlevGLのウィジェットを表示させるデモ・アプリケーション。

パス:

/boards/lpcxpresso55s69/littlevgl_examples

emWin GUIデモ

emWinライブラリのグラフィカル・ウィジェットのデモ。

パス:

/boards/lpcxpresso55s69/emwin_gui_demo

カメラ・インターフェース

カメラ・インターフェース

ドキュメント 説明 アプリケーション・ノートのソフトウェア
AN12868 LPC55(S)xxのカメラ・インターフェース カメラのインターフェース、機能、APIルーチン、デモを紹介しています。 ダウンロード

モータ制御

ドキュメント 説明
FreeMASTERのハウツー FreeMASTERツールを使用するエンジニアのためのスタート・ガイド。
FreeMASTER 3.0 - インストール・ガイド この記事では、FreeMASTER 3.0のインストール手順について説明しています。
4部構成のFreeMASTERウェビナー・シリーズ オンデマンド・トレーニングでは、FreeMASTERソフトウェアの概要、機能、能力、利用可能なサンプル、アプリケーションのユース・ケースのほか、簡単に始めるための方法について説明します。

MCUXpresso SDKサンプル

SDKには複数のサンプル、デモ、ドライバが含まれており、初めて使用する際に役立ちます。モータ制御に関するいくつかの一般的な例を以下に挙げます。

ミドルウェア

パス:

/middleware/motor_control

FreeMASTERの例

さまざまなインターフェース・オプションを利用して、変数やグラフを監視できます。

パス:

/boards/lpcxpresso55s69/freemaster_examples

FreeMASTER通信ドライバ・ユーザー・ガイド

アプリケーションとホストPC間のシリアル・インターフェースを実装し、該当するデバイスのネイティブ・シリアルUART通信およびCAN通信をカバーする、組込みサイドのソフトウェア・ドライバについて説明しています。

パス:

/middleware/freemaster/doc/user_guide

サポート

トレーニング

トレーニング 説明
MCUXpresso IDEとMCUXpresso Config Toolsを使用した基本的なアプリケーション開発 この3部構成のビデオ・シリーズでは、インポートされたSDKサンプル・プロジェクトを使用する際や新規プロジェクトを作成する際における、MCUXpresso IDEとConfig Tools間の基本的なインタラクションについて取り上げています。
LPC55s6Xのトレーニング この製品に関するNXPのオンデマンド・トレーニング、ハウツー・ビデオ、およびウェビナーの全リスト。

フォーラム

NXPのいずれかのコミュニティ・サイトで、他のエンジニアとつながり、LPC55ファミリを使用した設計に関する専門的なアドバイスを受けることができます。